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デジタル遺言は自筆証書遺言とどう違う?

パソコン等で作成した書面や電子データを利用できる保管証書遺言が、2026年の民法改正によって新設されました。

一般にデジタル遺言と呼ばれている制度です。

保管証書遺言は自書を必要としない一方、原則として遺言の全文を口述し、法務局で保管してもらわなければなりません。

ここでは、自筆証書遺言との違いと利用できる時期を説明します。

デジタル遺言は改正民法で新設された保管証書遺言をいう

デジタル遺言は法令上の名称ではなく、改正民法で新設された保管証書遺言の通称です。

保管証書遺言には、書面で作成するものと、電磁的記録で作成するものがあります。

改正法は2026年6月17日に成立し、同月24日に公布されました。

保管証書遺言に関する改正は、公布の日から3年以内の政令で定める日から施行されます。

2026年8月時点では、具体的な施行日は決まっていません。

自筆証書遺言等の押印要件を廃止する改正は、公布の日から1年以内に施行されます。

それまでは、現行どおり押印が必要です。

自書の要否と遺言が完成するまでの手続が異なる

自筆証書遺言では、原則として財産目録を除く全文、日付、氏名を自書し、押印します。

必要な方式を満たせば、法務局へ預けなくても遺言として成立します。

保管証書遺言では自書を必要としませんが、証書への署名または法務省令で定める代替措置に加え、遺言書保管官の前での口述と法務局での保管が必要です。

書面または電子データで作成できる

保管証書遺言は、遺言の全文を記載した書面だけでなく、全文と氏名を記録した電子データでも作成できます。

ただし、利用できるファイル形式、電子データの作成方法、署名に代わる措置の詳細は法務省令で定められます。

スマートフォンのメモや任意の文書データが、そのまま遺言として認められるわけではありません。

原則として遺言の全文を口述する

遺言者は、原則として遺言書保管官の前で遺言の全文を口述し、法務局へ保管を申請します。

その後、法務局で保管されることにより、保管証書遺言としての方式が完成します。

ただし、財産目録は、遺言書保管官が内容を閲覧させる措置を講じた場合、口述を省略することも可能です。

口述ができない方には、通訳人を介した申述や自書による代替方法もあります。

なお、自筆証書遺言と保管証書遺言のいずれも、遺言の内容が法的な効果を生じるのは、原則として遺言者が死亡した時です。

保管と検認の扱いも変わる

自宅で保管されていた自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所の検認が必要です。

一方、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した場合と、保管証書遺言には検認が求められません。

紛失、破棄、改ざんの危険を抑えられる点も、自宅で保管する場合との違いです。

もっとも、法務局での保管によって、遺言内容の法的な有効性まで保証されるわけではありません。

まとめ

保管証書遺言は、自書の負担を軽減できる一方、口述と法務局での保管が必要な新しい遺言方式です。

制度の施行日はまだ決まっていないため、現時点では自筆証書遺言や公正証書遺言を利用する必要があります。

遺言の方式選びや、いま作成すべきかの判断に迷う場合は、相続や不動産をめぐる問題に取り組んできた弁護士野崎にご相談ください。

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